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感謝のキモチ

母は、
デイサービスも行きたくない。
病院にも行きたくない。
何故ならば、自分はどこも悪くないからだ。
記憶だって、しっかりしている。
…と言う。

うーん、そうなんだけどねー。
ト、一旦肯定してから、私は何度もしている説明を続ける。
残念ながら、病気ではあるのね。この病気は、進行します。
やがては、自分が誰だか分らない、家族の顔を見ても誰だか分らない、
外出したら帰り道が分らない、
いろんなことが、食事やトイレの仕方も分らなくなるんです。
お母さんが悪いのではないのよ。病気のせいで、そうなっちゃうのね。

母「でも、私は初期なんでしょう? 分らなくなってないもの」
私「そう。だから、初期のうちから進行を遅くするための手段を
  出来るだけ、やりましょう。…ということです」
「デイサービスは、進行を遅くする役に立つの?」
「立ちます。有効な方法のひとつだと先生も。。」
「大学病院も役に立つのね?」
「その通りです。治験といって、大学病院でないと受けられない
 最新の治療を申込んで、お母さんは合格しました。
 それで、やってもらっているところです。
 病院には私も一緒に行くし。。」
「じゃあ、我慢しても行った方がいいわね」
「そう。どうしてもイヤなときは、別のやり方を一緒に考えましょう。
 そして、先生やケアマネさんにも相談してみましょう。
 でも、今は、もう少し、このまま試してみて頂けると嬉しいです」
「それなら、もう少し、やってみることにするわ」
「有難うございます。よろしくお願いしますね」
「どういたしまして。こちらこそ、よろしくお願いします」

感謝されて、彼女は悪い気がしないらしい。
ちょっと的外れな感謝でも、嬉しがっているっぽい。

母のアルツハイマーと付合うようになってから、
チャンスがあれば、「有難うございます」を言うようになった。
母以外のひとにでも、今までは黙礼で済ませていたのを
なるべく、きちんと言葉で伝えるようにしている。

場が和み、相手が受入れてくれる範囲が広がるのが分る気がする。
「有難うございます」は、なかなか素敵な言葉だ。

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